鬱で凡愚なド外道のリハビリraki6104’s blog

日々の雑談を、余裕のある時に、できるだけ(´・ω・`)

まず、地図を見て考える5

 当時の中国にとっては、こんなことを大っぴらに言ってしまっては敵を油断させる効果も何もなくなってしまうのですが、レーニンの理論ではその先輩にあたるソ連、そして中国の国民が「平和共存」を本当に言葉通り信じ込んでしまっては、せっかく有効な戦略が徹底せずに今後に齟齬をきたしてしまうことの方がもっと困る、ということでしょう。戦略という面で見るならば、国民が戦略的に白痴になることを恐れた中国の方が圧倒的に正しいことになります。現在の日本を見ればわかりますが、根本的に日本人の目が外向きにならずにいつまでも内向きなのは、ひとつには、国民が戦略的白痴となっていることがその原因に挙げられます。まあ、そもそも戦略的に外交をするどころか、どうも根本的に「国益を守る」という意識すらも、ごく一部を除いて政府も外務省も持ち合わせていなかった時代が長かったのです。ま、つい最近ちょっとは変わりましたが、相変わらずその戦略は周知徹底されてはいませんorz。

 ま、それはともかくキッシンジャーは、国家間の付き合い…すなわち外交的には、アメリカ基準での真の友人関係のように、家族ぐるみで長期にわたって付き合うような信用・信頼できるような関係は成立しない、というアングロサクソン特有のひとつの価値観を我々に提示し、一方、中国とかつてのソ連邦の間で起こったイデオロギー論争での一幕は、いわゆる共産・社会主義者にとっての、彼らのいう「平和共存」とは、彼らにとっての敵である民主主義者やその国々を油断させるための戦術の一つでしかないことを提示しているわけです。勿論、アメリカは多様な価値観の認められている国ですし、また、いくら共産・社会主義者とはいえ、身の安全のために口にはけして出さなくとも、その心の底ではまったく別の価値観を持つ人も少なからずいるのかも知れません。しかし、このシビアなサバイバルの世界で行われる、国益をかけた真剣勝負の外交にそんな柔な価値観が反映されることはまずあり得ません。脳内のお花畑に綺麗に花を咲かせたところで、無惨にも踏みにじられるのがオチです。

 現実に、その後もアメリカは戦略的に国益を守ること、そしてそれをどこまでも追求することを第一に、どこまでも冷徹な外交を世界で展開していますし、またソヴィエト連邦も、1962年のキューバ危機において、当時の核戦力がアメリカに大きく負けていたために退かざるを得なかったことを屈辱とし、フルシチョフを失脚させて一心不乱に核と軍備を密かに増強し続けたその結果、1983年ごろには東西の核戦力はほぼパリティー…同等にまで並び、また通常戦力でも、もしヨーロッパで当時戦端が開かれた場合には、NATO軍は押し寄せるソ連軍に核をもちいざるを得ない、そんな危険な状況にまで追い込まれています。まあしかし、この一心不乱の核及び軍拡にひた走ったソ連は、その結果として経済的には行き詰り、1989年にはあのゴルバチェフのペレストロイカの名の元に、当時、アメリカ大統領であったパパ・ブッシュと冷戦の終結宣言を世界に発表することとなり、その後の1991年にはソ連自体も解体することとなりました。

 つまり、これまでも申し上げてきたとおりに、この世界は、油断した方…国が負ける弱肉強食の論理がまかり通る世界であることは、我が国の明治維新の頃から今も昔も変わりがないのです。サブプライム問題によって引き起こされるだろう恐慌によって、これから各国はそれぞれ余裕がなくなってくるのですから、事態はさらに深刻といっても過言ではありません。自由と民主主義をアメリカが掲げているからといって、過去そうであったように、一種の「甘え」に基いた自分勝手な「自分ルール」を振りかざしても、アメリカにはそれを受け入れるだけに必要な余裕を現実に今、失いつつあります。それに、抑圧と弾圧に基いた共産・社会主義を未だ堂々と掲げている、伝統的に帝国主義のロシアと中国は、これまで以上に、その凶悪な本心を隠す余裕も獰猛な牙を隠す余裕も失って、脅威を現実の脅威と認識していない間抜けな獲物を必死に探し始めているのです。あの冷戦が、今またすでに始まっていることを、我々は一刻も早く国家、そして国民的に認識するべきなのです。

 まあ、朝鮮半島のお茶目な朝鮮民族の皆様は、相変わらず上も下も揃って、最悪なタイミングで危険な綱渡りをしていることに相変わらず気付いていないのですが、それを対岸の火事と笑っていられるほどには、我が国、日本国にもそんな余裕のないことを、この文章を読んでおられる皆様には良く御存知のことと思います。なぜなら地図を見ればわかりますが、我が国は、地政学的に非常に重要な戦略的位置、つまり東西両陣営のパワー、そしてランドパワーとシーパワーのぶつかり合う…ちょうどせめぎ合う最前線に位置しているからです。ま、一昔前ならば、アメリカとロシアの二極構造で説明できてシンプルでよかったのですけど、今度はそこに、海洋進出を目指しつつあるランドパワーの中国が加わるわけです。ま、それでも当面の間は、中国はロシアの予備兵力的な位置づけでかまわないとは思うのですが、その人民解放軍の軍備の近代化に合わせて、いい加減我が国も対抗せざるを得ません。

 なぜならば、軍事的にも経済的にも同盟国たるアメリカには、世界各地で引き起こされる共産主義同盟と悪の枢軸国家群の混乱と恐怖によって、また、現在サブプライム問題によって引き起こされる恐慌によって、そんな余分な体力…余裕は、今このときも刻一刻と現実に失われつつあるからです。いまこそ、我が日本国は真剣に自国の国益を考え、外向き的にはタロサ…麻生太郎氏の「自由と繁栄の弧」をもって「不安定の弧」と呼ばれる地域に積極果敢に安定をもたらし、また、内向き的には国民的な軍事アレルギーを(できれば(笑))一刻も早く克服し、近い将来に必ず起こるであろう有事に備えて、一刻も早い体制作り…相手が日本への侵攻の意志を抱かない程度に整えられた防備(つまりは「軍拡」…GDPの二パーセント前後ぐらいが適正か?)、そして集団的自衛権の見直し(こちらの方が急務。米軍との防衛・有事の共同作戦のため)…がぜひとも必要でしょう。そう考えると、今このとき(2008.9.24現在)、タロサが日本国の総理大臣に就任するということは、これは実際とてつもなく幸運なことなのかも知れません。

 今日のところはこの辺で…ではm(__)m。