ここ数日、へたばっていました。確かに、鬱があまり調子良くなかったせいもあるのですが、その欝を幾重にも悪化させる本…ある小説の文庫本に出合ってしまい、止めれば良いのに、鬱に悪いとわかっているのに、どうしても読むのを止めることが出来ませんでした。
私は、自分でも「ちょっと病的だ」と思う部分がありまして、優れた、自分好みのストーリー…その形態は映画、ドラマ、アニメ、ゲーム、漫画、小説、ときには絵本でもそうなのですが、とにかく、「優れた作品」と自分が思えるようなものに出会うと、もう病的なぐらいにそれに執着してしまうのです。
親しい友人らからは、良く「お前はストーリーテラー・ジャンキーか!?」などと突っ込まれていたものなのですが、とにかく、自分の気が済むまでそのストーリーにのめり込んでしまうわけです。はっきり言って、その間は、「例え世界がどうなろうともかまわない!」ぐらいの勢いでのめり込みます(笑)。
ですから、鬱になってからというもの、極力そういった、私にとっての危険な作品は可能な限り避けていたわけなのですが、たまに、親しい友人らが「鬱のせめてもの慰めに(笑)」と優れた作品を提供してくれたりするのです。ま、嫌がらせ半分の悪戯気分で…orz。
で、そのうちのひとりが、初夏ぐらいだったか、アニメ番組の「精霊の守り人」というアニメを全話録画して我が家に届けてくれたわけなのですが、彼の目論見どおり、私はその私好みなストーリーの面白さにきっちりとのめり込んでしまいました(笑)。
ところが先日、その「精霊の守り人」には上橋菜穂子先生という原作者がいて、そして、原作自体はすでに完結していることを阿比留瑠比氏のブログで知り、ついつい本屋で、その文庫本のシリーズ四作品…「精霊の守り人」「闇の守り人」「夢の守り人」「虚空の旅人」…を発見してしまい、そして気が付いたら迷わず購入していたわけです(笑)。
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鬱に良くないことを充分認識していながら、私は結局、それを読み始めずには居られませんでした。読み始めて気が付いたことは、この作品が、私にとっては恐ろしいぐらいにツボに嵌ることでした。もう、鬱に毎日くらくらしながらも、この四作品を読み終えるまでは、例え世界がどうなろうともかまわない気分でした(笑)。
現在は、すでに出ている軽装版に手を出すかどうか迷っているところです(笑)。元々、児童書として書かれた作品なのですが、私にとっては、これは間違いなく名作です。率直にいって、この作品が今読める子供たちが、私的にはとてもうらやましいです。
客観的な歴史観に基いた架空世界のファンタジーでありながら、その驚くほどに描写される甘さのない様々な価値観に、皆様も驚かれることは間違いありません。児童書ですから、確かにもの足りない部分はあるのですが、それでも、ここまで優れた作品へと仕上げたその巨大な才能には、もう心底脱帽です(笑)。よろしければ、皆様もぜひ。ではm(__)m。