鬱で凡愚なド外道のリハビリraki6104’s blog

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「タスケテ、タロー!(笑)」

 ロシアのKGBの元幹部であるアレクサンドル・リトビネンコ氏が、イギリスで放射性物質ポロニウム210」によって毒殺された事件ですが、なんといいますか、どーしてこう世間というものは、こうも簡単に「カバー・ストーリー」に踊らされやすいのでしょうかね。最近では、プーチン政権の反対派や敵対勢力の陰謀説に世論が傾いているのですけど、普通に考えて、これは誰よりプーチン大統領の方が、やはり限りなくクロに近いと私などには思えるのですけど、皆さん、放射性物質の「ポロニウム210」に余りにも踊らされてはいませんかね。

 確かに、暗殺の道具に自国で生産していることが広く知られているような放射性物質の「ポロニウム210」などをワザワザ使い、あのKGBがこれほど明解な、足の付きやすい暗殺をするはずがない、と一見思われるのかも知れませんけれど、陰謀のセオリーといいますか、もはや決まりごとといって良い「その陰謀によって最大の利益を得る者が黒幕」というものがあり、それで今回の事件を少し視野を広げて眺めてみれば、おのずと黒幕はプーチン大統領とその政権となると私などは思うのですけどね。ちょっとどうにも、余りに皆さん、もの凄く極短史眼的に過ぎやしませんかと思うのですけどね。

 そこで、ちょっと最近のロシアのKGBが関与したと思しき暗殺事件を以下に参照しますと

2006年
 11月 モスクワ バイサロフ(元チェチェン大統領警護隊長)射殺
 11月 ロンドン リトビネンコ(元FSB将校)    毒殺未遂
 10月 モスクワ ポリトコフスカヤ(著名ジャーナリスト) 射殺
 10月 ダリネゴルスク フォチヤノフ(同市長候補)    射殺
  9月 モスクワ コズロフ(露中央銀行第1副総裁)    射殺
2005年
  3月 トルストイユルト マスハドフチェチェン元大統領)射殺
2004年
  9月 キエフ ユシチェンコウクライナ大統領候補) 毒殺未遂
  2月 ドーハ ヤンダルビエフ(元チェチェン大統領代行) 爆殺

 っと、以上のように、ここのところロシアではプーチン政権にとって邪魔な人々の、いかにもKGBがやりそうなやり口の暗殺事件が立て続けに起こっており、世界番長のコンドル姐さんことライス国務長官が太っちょ絡みでロシアを訪れたときには、プーチン政権に批判的で射殺された女性ジャーナリストのポリトコフスカヤ女史の件について、プーチン大統領に対して直接「深刻な懸念」を表明したのはつい先月のことですよね。さすがにプーチン大統領も、それで暗殺の手を止めざるを得ませんでしたが、あのリトビネンコ氏は、よりにもよってそのポリトコフスカヤ女史暗殺のメンバーと思しき人々のリストを手に入れ、それが大々的に発表された場合には、プーチン政権は今度こそ間違いなく非常に大きな打撃を被るところでした。

 プーチン政権にしてみれば、一刻も早くなきものにはしてしまいたいのですが、コンドル姐さんに直接「深刻な懸念」を表明された手前、いつものKGBの巧みなやり口ではかえって、今度こそ大々的に世界的な非難を浴びる所だったのですね。そこで彼らは考えたのでしょう。それならば、あえてKGBらしからぬ方法で暗殺を決行しよう、とですね。また、幸いなことにイギリスは、かつて「モグラ」と呼ばれたソ連のスパイらが情報部にまで深く浸透し、危うくその工作員が、イギリス情報部の副長官にまで上り詰めるほどにまで迫ったことのある、ロシアンスパイにすればいわば裏庭のような国でもあったわけです。

 そこで、リトビネンコ氏暗殺には、わざと「ポロニウム210」のような容易に足の付く放射性物質を使い、世間には「まさか」と疑念を抱かせると同時に、イギリス国内に潜り込ませている「モグラ」らに…日本がそうであるように、ジャーナリストがスパイであることは良くあることです…「KGBはこんな容易に足が付く事はしない。これはプーチン政権に敵対する勢力の謀略的犯行だ」と、いかにも世間が納得しそうなカバー・ストーリーを喧伝させたのでしょう。また、そうすることによって、更にポリトコフスカヤ女史暗殺の件やその他の暗殺もまた、「プーチン政権に敵対する勢力の謀略的犯行の可能性がある」と世間に思わせることができるわけですね。

 ま、そうやって追求の矛先を、至極曖昧にすることにも同時に成功しているわけですが、しかし陰謀のセオリーからいえば、やはり「その陰謀によって最大の利益を得るものが黒幕」なのですよ。リトビネンコ氏にしても、やはりプーチン政権に対して非常に批判的であり、また、当のその人物があのポリトコフスカヤ女史暗殺メンバーのリストを手に入れた…まあ、これ自体が「罠」であった可能性が高いのですが…わけですが、その当のリトビネンコ氏の今回の死によって、そのリスト自体が今後世に出る可能性も極端に少なくなったことでしょうね。誰も死にたくはないでしょうし、また、黒幕が明確でないだけにその示威効果も抜群ですからね。

 まあ、即座にプーチン大統領は、あの国としては異例とも言える捜査協力をイギリス政府に申し出たりしているのですが、これも恐らくはポーズだけではないですかね。暗殺に使われたのが、「ポロニウム210」という特殊な放射性物質だけに、本気になればいくらでも暗殺グループを追求できるはずなのですが、きっと、いかにも持ち出したと思しき適当な人物の自殺で全てが闇の中となるでしょう。或いは、いかにもプーチン政権に敵対する勢力の関与を匂わせるような、そんな証拠も出るかも知れませんが、それもまた、結局はいつものことです。所詮、あの国は根本的には変わらないということでしょう。特アそうであるように、あの国もまた、何も変わりはしないのです。

 日本政府には、下手にあの国には関わらないで欲しい所ではあるのですが、北方4島や、あの太っちょの始末に関しても関わらざるを得ませんからねえ(溜め息)。ま、ファンタジスタな我が国最高の外務大臣、我らが麻生太郎大臣の手腕に期待するしかありませんね。「タスケテ、タロー!(笑)」っと、いうことで、ではm(__)m。