鬱で凡愚なド外道のリハビリraki6104’s blog

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それゆえに55

 広宮孝信氏の著作『国債を刷れ!』をお気に入りにしている以上、昨日更新された、以下の氏のブログ・エントリーに触れぬわけには行きません。

廣宮孝信の「国の借金」“新常識” 職員、借金絶賛削減中のこの自治体はどこ?

 ま、財政規律派であった私を、一読で、財政出動派に鞍替えさせた名著である事に変わりはないのですが、残念ながら、氏は大阪市の中の人…或いは、その周辺関係者であり、まずは、今の大阪市の体質をこそ守りたい方なのでしょう。そのコメント欄を含め、一度は目を通されておく事をお勧めします。氏が公務員に甘いわけですね(笑)。

 地方公務員の立場とすれば、あの『国債を刷れ!』を執筆されたその動機のひとつに、現在の財務官僚らによる緊縮財政の方針によって、末端の予算が削減されている現状は、彼らにとっての利得と汚職の源泉たる予算の少ない状況が続くわけですから、もっと予算を、利得と汚職の源泉をよこせ、があったのでしょう。民間の活性化は税収の増加、つまり、予算の増加に直結しますからね。

 その上で、これまで通り…バブル崩壊以前までのように、市民に寄生するだけの大阪市の体質はそのままに、我々に美味い汁を吸わせろ、というわけです。市民には、彼らが美味い汁を吸い尽くしたその絞りかすをくれてやれば、氏の言う「私益を公益に」が達成されるというんでしょう。また随分と、都合の良い話ですねぇ(溜め息)。ま、その氏を受け入れた、自民党大阪市議団もそういった類の連中の巣窟という事ですかね…いや、私的に(笑)。

 これだけというのもなんですので、ひとつ与太話(笑)。

「タイム・イズ・マネー」

 時は金なり、時間は金になる、という話なのですが、我々民間と公務員…官の世界とでは、同じこの言葉も真逆の意味で使われます。民間では、勿論無駄をなくして時間を有効に、効率よく使う意味で使われるわけですが、その反面、民間に寄生する立場たる官の世界では、時間と手間を民間にかけさせることが彼らにとっての利得の源泉となるわけです。

 民間では、資産をそのまま置いておくだけで損失が発生します。人件費など組織維持の諸経費が、いわゆる「逆ザヤ」の働きをするからです。だから民間は、資産を休むことなく運用し続けねばなりません。そこで怠惰な仕事、煩雑な手続き、たらい回しに事細かに張り巡らされた規制と、様々な時間と手間のかかる状態に民間を置いておけば、それだけ彼らにとっての利得となる収賄チャンスが生まれ、民間への強い贈賄圧力になるわけです。

 この手の事は、別に現代に始まった事ではなく、江戸の昔からあったのでしょう。それでも、時にやりすぎた奴を厳罰に処す事で、社会のバランスは保たれていました。分をわきまえる限りは、ですけど(笑)。

 それがいきなり破綻したのが、大正時代。明治の頃には日本国全体が余裕のない時代でしたが、大正になって、すっかり状況が変わってゆるゆるになったわけです。当然、強権によって不正を排除する存在がいないため、選民らの汚職腐敗が横行し、それが、結果的に軍部の台頭へとつながり、先の大戦へと進むわけです。

 ガラガラポンで、焼け野原から始まった我が国の復興からバブル崩壊まで、これが、いわば二度目の繰り返し。さてその後、素直に復興すれば良いものの、バブルの甘味を忘れられない財務官僚らは緊縮財政を提唱し、民間に変わる、地方から国へ、他省庁から財務省へのいわゆる官から官への官官接待に走ります。

 しかし、バブルの甘味を忘れられないのは、その他の国家、地方公務員も変わりなく、彼らは民間へのサービス…予算や人員を削減し、また、民間への贈賄圧力を強める事で自らの取り分を保とうとします。

 私が「公務員を悪」とする、そのゆえんです。圧縮された予算のために削減された人員…それ自体が予算の頭割りでの取り分を増やすわけですが、普通に仕事すれば、二倍以上の官民格差から単純に考えて、バタバタ死んでる民間の恐らく今ごろ二倍以上の過労死が発生するのですが、真に残念な事に、そんな報道を私は見た事も聞いた事もありません(溜め息)。

 以下のような記事ならありますけどね(笑)。

残業、厚労省ダントツ 大臣の指示細かい…との声も 2010年7月28日21時18分 asahi

 中央省庁で昨年度、最も残業時間が長かったのは厚生労働省という調査結果を、霞が関国家公務員労働組合共闘会議(霞国公)がまとめた。月平均の残業時間は旧厚生省系、旧労働省系ともに70時間を超えた。自由記述では厚労省職員から「大臣の指示が細かく多くなった」と、政権交代の影響を指摘する声も上がったという。

 全体の平均残業時間は、前年度より3.5時間減の月32.8時間だった。最も長かったのが旧労働省系の73.4時間(前年度比7.1時間増)で、旧厚生省系は71.7時間(同0.5時間増)。経済産業省の45.9時間、国土交通省の旧運輸省系の39.7時間と続いた。

 残業理由(複数回答)では「業務量が多い(定員不足)」が64.7%で最多。「不合理な仕事の進め方」(20.6%)、「国会対応」(17.9%)を大きく引き離した。

 過労死の危険ラインとされる月80時間を超える残業を経験した人は191人(6.3%)いた。この割合を霞が関全体の職員数にあてはめると2千人を超えることになり、霞国公は「過労死を意識する人も増えている。長時間残業解消や過労死を出さないために働きかけたい」としている。

 調査は今年2月から3月にかけ、霞国公に参加する10組合を対象に実施。霞が関の中央省庁で働く一般職員の約9%にあたる3056人から回答を得た。

 ま、民間は、薄給な上に時間に追われて倒れるのですがね(溜め息)。それを思えば、白書に省としての誤りを記載させた当時の長妻氏を気に入らないからといって、こんないい加減な数字を出し、それをホイホイ記事にする辺りが彼らがいかに腐っているかの証でしょうね。

 ああ、勿論、我が日本国の治安と安全、平和と繁栄のために日々奔走されておられる公務員の方々は、多くの賞賛と相応の待遇(厚遇)が必要です。我々、多くの日本国民がそれを肝に銘じるべきでしょう。その一方で、狗な連中には多くの罵倒とお似合いの待遇(冷遇)が必要です。これもまた、我々が肝に銘じるべきですね。二度ある事は三度といいますが、三度目はない事を祈るばかり。ではm(__)m。